今回はヘッドフォンを多数製造販売するOneOdioより、DJ用のヘッドフォン「OneOdio Pro50」を提供していただいたので、レビューを行う。
OneOdioは国内Amazonに2店舗と、公式サイトが存在する。今回のDJ用から、ゲーミングヘッドフォン、Bluetoothトランスミッターなどを取り扱っている。
OneOdio Pro50
OneOdio Pro50はProシリーズの最上位モデル。黒に金の箔押しパッケージがなかなかかっこいい。
- Pro50本体
- 収納ケース
- 3.5mmマイク付きケーブル(長さ1.2m)
- 6.35-3.5mmスパイラルケーブル(長さ2~3m)
- 取扱説明書
が付属。収納袋は柔らかく、イヤーパッドとおそらく同じ合皮でできている。しっかりできているので持ち運ぶときに便利そう。取扱説明書は4か国語で日本語もある。ただ日本語は誤字や誤訳があり、なぜか英語版とスペック表記が違っていたりする。以下のスペックは英語表記のものを翻訳している。
OneOdio Pro50のスペック
ブランド | OneOdio |
モデル | Pro50 |
形式 | 密閉ダイナミック型 50mmドライバー PET |
再生周波数 | 20-40,000Hz |
インピーダンス | 32Ω |
マグネットタイプ | NdFeB磁石 |
最大入力 | 1600mW |
感度 | 110±3dB |
入力端子 | 3.5mm/6.35mmステレオジャック |
備考 | ハイレゾ対応 |
オーバーイヤー型×柔らかいイヤーパッドで、密閉度の高い快適な付け心地
Pro50は金属製のしっかりしたヘッドバンドに、かなり分厚いヘッドパッドやイヤーパッドが取り付けられている。黒の合皮に赤ステッチが走り、ところどころメッキやバンドの金属が見えて、一見するとなかなかかっこいい。各部の樹脂は少しチープな印象もあるが、脆く簡単に壊れてしまいそうな感触は無い。
折りたたんだ際のサイズはおおよそ17×15×10cm。収納ポーチと合わせて十分に持ち運びが可能な大きさだろう。
イヤーパッドには3cmほどの厚みがあり、耳全体を覆うオーバーイヤー型。付けてみるとすぽっと耳全体が入り、柔らかいイヤーパッドが優しくその周りを包み込む。首振りの自由度が大きいので耳の周りの角度にしっかりあってくれるし、側圧は強くないのにしっかりとホールドされるので、頭を振ってもズレない。
密閉度は高く、装着していると外の音はあまり聞こえない。音楽を流せばそれ以外はほぼ聞こえなくなる。その分長時間使用時の蒸れがある。
快適なイヤーパッドに対して、ヘッドバンドが上から押さえつけてくる感じが個人的には少し気になった(普段僕がヘッドフォンを使わないのもあるが…)。長時間装着していたらそこまで気にならなくなったし、クッションもしっかりあるので痛みなどはゼロ。多分ヘッドフォンを良く使う人なら全く気にならないレベルだとは思う。
イヤーパッドの中は赤い布張りになっており、その奥に50mmのドライバーがいる。左右対称デザインだが、この赤い布にLとRの文字が書かれているので、左右の見分け方は簡単。
ドライバーの下に入力ジャックが備わり、左が6.35mm、右が3.5mmとなっている。
ヘッドフォン単体での重量は実測268g。ちょうどいい強さでホールドされるので、長時間着用していても(耳の蒸れ以外は)快適だった。
付属ケーブルはマイク付き3.5mmと、6.35-3.5mmの2本。なお、音質のレビューは付属の6.35mmケーブルを使用して行っている。付属の3.5mmケーブルと大きな差は無いように思うが、6.35mmの方がわずかに音がクリアになったように感じた。
低音重視が支配的で中高音域はフラットな音質
OneOdio Pro50の音質は、低音がっつりと鳴らし、それ以外はフラットで自然に近いイメージになっている。箱出しではぼやっとエコーがかかったような印象があったが、数時間エージングを行ったら(若干の籠りがあるものの)クリアに近づいた。全体的にシャープ過ぎず、ぼや付き過ぎず、聞き心地の良いサウンドを鳴らす。キレのあるサウンドではないが、イヤホンでは感じられない耳全体に来る音圧があって、特にノリのいい曲だと楽しい。
高音に関しては伸びやかな印象は無いが、その分刺さりは無く、耳が痛くならない。他音域とのバランス感もこれでちょうどいいように思うが、個人的にはもっと高音の粒立ち感や主張が欲しいところ。
中音域もフラットな印象。極端にボーカルが主張することはなく、かといって引っ込んで聞こえないことも無く、他音域と同じぐらいの場所にいる。誇張のない自然な音や声で、複数ボーカルや音が重なる場所でも個々の音がつぶれすぎてしまうことはない。
低音は目の前に大きなスピーカーがあるような圧のある響き方をする。かといってぼや着いて輪郭が無くなってしまうようなことはなく、適度なクリア感を持っている。この音域は音量が大きいというより音圧があることで、一歩前に出てくるように感じる。この音圧が気持ちいい。
音場としては低音が強化されている分だけ少し狭く感じるが、左右の分離感はきちんとあって聞き分けることができる。
またDAPの音量をいつものイヤホンよりも大きめにしなければ音量が取れなかった。もしかするともう少しパワーのあるアンプやDAPを使えばまた違った印象になったかもしれない。
気持ちいい音圧と快適な装着感のヘッドフォン
OneOdio Pro50を纏めると、
- 柔らかいイヤーパッドで快適な付け心地
- 低音の音圧が気持ちいいサウンド
のヘッドフォンだった。アラウンド5000円のヘッドフォンとしては品質も見た目もなかなかいいと思うし、音質としても音圧があるのに聞き疲れしない適度な柔らかさを持っているのも好印象。ズンズン系のサウンドが好きな人ならかなり好みなのではないだろうか。
ただ個人的にはもう少しクリアでスピード感のあるサウンドの方が好みだったし、ハイレゾ対応を謳う割に高音がそこまでだったのは残念に感じた。ここは完全に好みの問題だが…。
OneOdio Pro50は、手ごろな価格で付け心地の良く、低音を重視するサウンドのヘッドフォンを探している人にオススメできる一品だ。
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