NICEHCK DB1:聞きやすいさっぱり&ハッキリサウンド 美しい樹脂シェルを持つ低価格1DDイヤホン

イヤホン

中華の多ドライバーイヤホンはとにかく濃厚なサウンドが気持ちよくて僕も大好きで、実際TRN V90STRN BA5はかなり気に入っているのだが、迫力がありすぎる音と筐体が重さで長時間装着していると耳が痛くなる。たまにはもうちょっとさっぱりした感じのカジュアルなイヤホンが欲しい。

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NICEHCK DB1

というわけでNICEHCKから2021年10月に発売されたDB1を買ってみた。セールやクーポンを使わない場合の販売価格はだいたい$16ぐらい。パッケージの女の子はオリジナルキャラクターの「霓ちゃん」。霓(にじ)ははっきりと見える「虹」に対し、その外側に薄く見える副虹を指すそうで、伝承的には虹=雄の竜に対し、霓=雌の竜とされるらしい。また一つ勉強になった。

…ところで、最近はこういうキャラクターパッケージが流行ってるのだろうか?

  • 本体
  • ケーブル
  • イヤーピース
  • 取扱説明書
  • 合格証

が付属。付属品は必要最小限といったところ。

NICEHCK DB1のスペック

ブランドNICEHCK
モデルDB1
ドライバーDD 10mm PU biology fiber composite
コネクターTFZ (0.78mm 2pin)
応答周波数20-20000Hz
音圧感度106dB/mW
インピーダンス16Ω
付属ケーブル4芯編組6N 純銅ケーブル
3.5mmプラグ

NICEHCK DB1は中華イヤホンとしてはかなりベーシックな構成を持つ。ドライバーは10mmのDD一つだけ。振動板もファイバーコンポジットなので廉価なモデルとなる。

美しい樹脂シェルと金属ノズル

NICEHCK DB1はとても魅力的な美しい樹脂製のシェルを持っている。モナカ構造で安価な作りではあるが、半透明の青い樹脂は曇りが無く、NICEHCKのロゴや金色のハトメ、うっすら見える模様がとても上品な印象を与える。女の子のパッケージにはなっているが、装着者の性別を問わないかっこよさがある。

カラーラインナップは今回僕が買った青色の他にグレーも用意される2色展開。

NICEHCKの中ではベーシックモデルとなるが、ノズルは金属製で金属メッシュのフィルターも装着される。これが意外と太く返しもしっかりあるので、イヤーピースをはめる時はちょっと押し込む感じになる。

クリア樹脂なので見ずらいが、裏面は耳の形に沿った形状になっており、本体の軽さも相まって装着感は非常に良好かつ軽い。長時間装着していても耳が痛くなることはなかった。コネクター形状はTFZが採用される。コネクターからDDへ伸びる銀色のケーブルが確認できる。

純正ケーブルは細めの純銅ケーブル。特に可も不可もなく、耳掛け形状で使いやすい。

純正イヤーピースはシリコン製のベーシックな物。わずかに口が細いような気がしないこともない。

フラットで聞きやすいさっぱり&ハッキリサウンド

NICEHCK DB1は1DDのベーシックモデルなだけ合って、中華ハイブリッドイヤホンにありがちな、わかりやすい派手なドンシャリ…とは違った音質を持っている。箱出しでは少し音が出ていない印象だったが、数時間ほどエージングすると持ち味が現れ始めた。若干音量が取りにくいのか、わずかに音量を上げるとちょうどよくなる。

NICEHCK DB1の音を一言で言えば、フラットで聞きやすいさっぱりサウンド。低音域から高音域まで必要十分に表現されるが、金属質なキンキンとした響きは無く、どちらかといえば若干ウォーム寄りなわずかに角の丸い耳に刺さらない音が鳴る。かと言って低価格イヤホンにありがちな音の輪郭がぼやつきは無く、明瞭で一音一音がしっかり表現され、曲によってはスピード感もある。音場も広く、定位感も良い。BAを重ねることで明瞭感を出すタイプのハイブリッドイヤホンとはキャラクターが違う。

低音域は体に響くような迫力こそ無いものの、十分に表現される。しっかりとドラムの響きやベースの鳴りがあり、とにかくパワーで押し切るようなことをしていないがゆえか破綻が無い。

中音域はボーカルもしっかりと前に出てくる。ほぼフラットではあるのだが、意図的に超低音域と超高音域をカットしているのか、このイヤホンの主役はここにある。音が重なってきた時には細部の音は一方後ろに引くので、主役がさらにはっきりしてくる。

高音域はどこまでも伸びるような響きはBAイヤホンに譲りつつ、ひと盛り上がりがここにあるので音楽に遊びを与える。明瞭な響きで弦の揺れまできちんと表現する歯切れの良さが気持ちがいい。

NICEHCK C16-4を使ってリケーブルをしてみたところ、わずかにあった曇りや音の丸みが取れて、よりハッキリとしたサウンドに変化、全域でパワーアップを果たした。特に高音域の伸びと低音域の泊リョウクが足された印象。ただ元のイヤホンの特性かそこまでの大きな違いは無いので、純正ケーブルでも十分DB1の音を楽しむことができる。

派手さと決別した、よくまとまったサウンドを持つイヤホン

NICEHCK DB1は派手なサウンドを鳴らす中華ハイブリッドイヤホンとは違い、一聴すると音の厚みがそこまで無く、さっぱりとした音質で物足りなさを覚えるかもしれない。ただしっかり聴き込むと全音域に対して音がきちんと存在し、破綻のないまとまったサウンドであることがわかる。この価格帯にして音の粒立ちもよく、NICEHCKブランドらしいパリッとした明瞭感がある。軽い装着感も相まって聴き疲れしづらく、心地よく音楽を楽しめる。低価格ながら1DDイヤホンの魅力を再確認させてくれる素晴らしい逸品だ。

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