クラウドファンディングを利用してKZの最新TWSイヤホンである【KZ S2】を入手したので、レビューを行う。
KZ S2
KZ S2は中華イヤホンブランドKZが2020年6月から販売したTWSイヤホン。KZはこれまでE10、T1、S1/S1DなどのTWSイヤホンを作ってきたが、E10やT1は販売開始して即販売終了したりと、もしかしてあれは試作品だったのではと思わせてくれるレベルの売り方をしているので、このS2が2作目のTWSってことにしたいんじゃなかろうかと思う。
- KZ S2本体
- 収納・充電ケース
- イヤーピース
- 充電ケーブル(USB TypeC)
- 取扱説明書・保証書
が白い箱から出てきた。カラーバリエーションは白と黒があり、今回は白をチョイス。ケースは半艶の落ち着いた色合い。
KZ S2のスペック
ブランド | KZ |
モデル | S2 |
ドライバー | 7mm デュアルマグネティックドライバー×1 KZ 30095 BA ×1 |
イヤホンバッテリー容量 | 30mA |
ケースバッテリー容量 | 400mA |
イヤホン動作時間 | 4時間(3時間?) |
ケース込の動作時間 | 20時間 |
充電ケーススタンバイ時間 | 100時間~ |
チップ | Realtek 8763 |
Bluetoothバージョン | 5.0 |
Bluetoothコーデック | SBC、AAC |
Bluetooth有効範囲 | 半径20m |
防水性能 | IPX4 |
重量(実測値) | イヤホン両耳:10g ケース込:55g |
ケースサイズ(実測値) | 61×31×42mm |
その他 | マイク内蔵(ノイズキャンセル機能付き) 5分の充電で1時間の音楽再生が可能な急速充電 High-performance Mode(低遅延モード)搭載 |
KZがこのモデルから搭載し始めたドライバーは、7mm小口径ながらパワーのあるサウンドが出せるよう、デュアルマグネティックが採用。この第三世代となるデュアルマグネティックドライバがどんな音を出すのかがポイント。
連続動作時間は4時間とクラウドファンディングページ上では書いているのだが、中国通販を見ると3時間と表記されており、正確なところは不明(※実際に連続使用してみたところ、満充電から3時間10分ほどでLow Batteryと警告が発せられた)。応答周波数やインピーダンス等の情報は記載がない。
耳にフィットするカスタムIEM風の形状
KZ S2はカスタイムIEM風の形状をしていて、内側の形状は耳にしっかりフィットする。TWSなだけあって少し厚みがあり、重心も外側にあるようだが、この形状のおかげか耳にしっかりと押しこめばポロッと落ちそうな感じは特にない。重量は両耳で10gと軽量、付け心地も軽い。
ノズル部分は金属製で、同じく金属製のメッシュフィルターが付いている。上部と下部にベントとマイク用と思われる穴が開いている。
イヤホン側面にはインジケーターのLEDが備わっているが、光り方は控えめで、通常使用時には光らないので、夜道で耳がエレクトリカルパレードになることはない。
TWSとしての使い勝手は良好
ケースから両イヤホンを取り出せば自動的にペアリングモードになるので、スマートフォンやDAPのBluetoothをONにして接続すれば即繋がる。めちゃくちゃ簡単だった。
ケースに戻せば電源OFF、ケースから出せば電源ONで、ペアリング済みの端末と自動的に接続する。ちなみに、片耳だけ取り出した状態でも使用できる。
側面にはタッチボタンが備わり、再生・停止、曲送りなどの操作が可能。感度はちょうどいい感じで、タッチ部分だけ少し盛り上りザラザラした手触りになっているおかげで操作感も良好。
ホワイトノイズはわずかにあるがかなり抑えられている。無音の部屋だと曲と曲の間に少し聞こえる程度で、さほど気になる物ではない。音楽が流れていれば全くわからない。
スマートフォン(Galaxy S10)とBluetooth5.0×AACコーデックで接続してみたところ、部屋を動き回ったり壁一枚を隔てたぐらいでは全く途切れることが無かった。ごくまれに一瞬だけ音が切れる瞬間がある時もあったが、基本的に接続強度はかなり強い。遅延は動画を見るぐらいなら特に問題ない。
一方でDAP(AP80)とBluetooth4.0×SBCコーデックで接続したところ、音が切れる現象がやや発生し、接続強度も一歩劣る印象。SBCコーデックだと音質的にもガサつきが多く感じられた。(余談だがAP80がAACコーデックを使えないことに今回初めて気が付いた)
ケースサイズは実測61×31×42mm、ケース込の重量は実測55g。有線のイヤホンと比べても持ち運びには支障が無い、かなりコンパクトなサイズ感だと思う。
ケースの充電端子は底面に備わり、TypeC端子で給電できる。ケースが経っている状態よりもこちらの方が安定するので、見た目はちょっと意外だが案外使い勝手は良い。
派手な高音、パワフルな低音のハイブリッドらしい楽しいサウンド
KZ S2の音質は明確に寒色系のドンシャリ。BAによる派手な高音、そして新型7mmドライバーが鳴らす強烈な低音で、ハイブリッドイヤホンの醍醐味を味わえる。湿っぽい曲は雰囲気に合わないが、基本的にオールマイティー、特にロックやアニソンなどはかなり気持ちが良く聞こえる。
高音域はBAらしい伸びとシャープさを持つ。派手で誇張的、音によっては刺さりもあるが、キンキンするほどではないので適度に抑えられているように思う。
中音はドンシャリとは言ったが、引っ込むことはなく十分に出てくる。この音域に関してはそこまで誇張された感じは無く、楽器もボーカルもしっかりと聞こえる(あるいは高温と低音が強烈過ぎて比較的普通に聞こえてしまっているだけかもしれない)。
低音は強烈。音圧もキレも強く、籠る感じもない。カリカリするほどではないがエッジ感もあり、ドラムやベースが主張しすぎな感じもするが、とにかく楽しい。この価格のワイヤレスイヤホンなのにこんな揺さぶれれるような低音が出るんだとびっくりさせられた。
音場感は狭い印象だが、左右の分離感はきちんとある。特に低音は狭めで頭の中でドラムがドンドンなっているように感じるが、それ以上の音、特にボーカルに関しては割と自然に感じる。
実用的TWS×中華ハイブリッドイヤホン音質
というわけでKZ S2はTWSとして高い実用性を備えながらも、有線の中華ハイブリッドの楽しいドンシャリサウンドをもつ、価格から言ってもかなりパフォーマンスの高いイヤホンだと思った。特にサウンドは満足度が高い。
細かいことを言えばapt-Xコーデック非対応だったり、全体的に質感が少しチープだったり、イヤーピースの収納部分が小さいからイヤーピースに拘りたい人は選択肢が狭かったりするのだが、そのあたりが気にならない人なら全く問題なし。特にiPhoneユーザーでパワフルなイヤホンを求めている人にはかなりオススメできる。見た目もうどんが垂れ下がったりしてないし。
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