KBEAR KB04:ライブ感のあるサウンドを持つアラウンド3000円の1DD+1BAイヤホン

イヤホン

今回はオーディオ専門店として自社開発のイヤホンやケーブルを販売するkinboofiより、2020年3月に発売されたばかりの新製品【KBEAR KB04】を提供していただいたので、レビューを行っていく。

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KBEAR KB04

KBEARは比較的低価格ながら高音質で評価を得ている深センの中華イヤホンブランド。個人的にも気になっていたメーカーなので、その最新作を手にする機会を得たことは嬉しい。パッケージはシンプルながらイヤホンをウレタンフォームで包む高級感のある造り。かっこいい。

  • イヤホン本体
  • 3.5mm L型プラグケーブル
  • S・M・Lの3サイズのイヤーピース×2種類
  • ケーブルフック
  • 取扱説明書

が付属。

KBEAR KB04のスペック

ブランドKBEAR
モデルKB04
ドライバー10mm複合振動版DD
+1BA
ケーブル高純度銀メッキ銅線4芯編組ケーブル
端子0.78mm 2pin
感度104±3dB
インピーダンス16Ω±10%
周波数応答範囲20Hz-40KHz

全金属製のコンパクトなハウジング

KBEAR KB04は金属にメッキ処理をしたハウジングを持つ。これゆえコンパクトサイズながら、そこそこの重量となっている。ノズル部分やフィルターも含め金属が採用されていて、メッキ処理は落ち着いた色合いで美しい。

卵型の物体の左右を垂直に切り落としたような形状をしている割に、装着してみると意外とフィットして付け心地は軽い。長時間使用していても耳の痛みはあまり感じなかったので、ノズルの角度などがちょうどいいのだと思う。

ノズルにはしっかりとツバが付いているのでイヤーピースが脱落することは無さそう。またこのノズルは少し直径が大きいのか、イヤーピースの装着はきつかった。

プラグは0.78mm 2pin。取り付け位置が筐体から少し凹んでいるので、リケーブルする際は形状に注意。

ケーブルの左右について

ざっと取説を見た限り付属のケーブルの左右が示されていないのだが、中華イヤホンでケーブルの左右が「青・赤」マークで示されている場合、

  • 赤色→右側
  • 青色→左側

となっている。これは赤旗(社会主義・共産主義)が右翼(保守党)であることとかけているとかなんとか。

付属のケーブルは4芯編組ケーブルで、タッチノイズなどは少なく、そこそこ柔らかいので使用していて不満はない。プラグや三又はよくあるプラスチック製で、もうちょっとかっこいいといいなと思うが、グレー気味のメッキハウジングとの色合いはいい。

イヤーピースは灰×赤色のものがオススメ

KBEAR KB04には2種類のイヤーピースが付属しているのだが、最初に取り付けられている黒色のイヤーピースはなんだかペラペラでイマイチ。装着感としてはさほど問題ないのだが、灰色のものの方がしっかりしているので、こちらを使ったほうがいい。

実際に聞き比べてみた限り、後述するが少し物足りなさのある低音が少し改善されたし、フィット感や遮音性も良くなった。

音質:シンプルでウォーム感のある中音重視型

KBEAR KB04は、その金属ハウジングの見た目とは少し違った、若干のウォーム感のある音質を持つ。DDとBAがそれぞれの音域を担当しているので、音の厚みはそこまでないが、その分シンプルで聞き疲れしない。フォーカスされている音域は中音にあるようだ。イヤーピースは付属の灰色のものを使用している。

低音は解像度や音圧・キレといった面で控えめ。個人的にはここに結構な強みを持つ中華イヤホンを持っているせいか、正直物足りなさは否めない。おそらく使っているDDの関係だろうが、少し価格なりなイメージだ。他の音域と比べると一歩引いたところから音量控えめで鳴ってくる。箱出しではかなり控えめだったのだが、2日間ほどエージングし続けたら鳴るようになったので、時間をかけて育てる必要があるかもしれない。

中音は良い。恐らくこの辺りからはBAが担当しているのだと思うのだが、キレも解像度もしっかりあり、ボーカルが引っ込むことはなく、ピアノなどの音は一音ずつ伝わってくる。

高音も良い。超高音は減衰していくのだが、基本的には中音域とほぼ変わらないキレがあり、キラキラっとした音までしっかりと鳴らす。金属質な感じは少ないので刺さりもない。高音の主張もそこまでないので、控えめの低音と合わせてバランスが取れている。

音場感は適切で、特別狭くも広くもないように思う。16Ωのインピーダンスにしては、他のイヤホンと比べて音量が出ないので、音楽プレイヤーの音量は大きめに調整してあげる必要がある。

ライブ感のあるサウンドのイヤホン

個人的な趣味嗜好で言えば、低音域の迫力やキレには物足りなさがある。ただこれは聞く音楽の問題であるようにも思う。

実際に少し柔らか目な、ライブ感のある曲をKBEAR KB04で聞くと、全体的に輪郭の甘めな低音と、それに合わせて強すぎない高音、そしてしっかりはっきりと響く中音のバランス感が素晴らしく心地よい。いわゆるドンシャリ寒色系の「中華イヤホンサウンド」とはまた違ったバランス感だ。女性的といえるかもしれない。このおかげか、長時間使用していても聞き疲れしずらいように思った。

強烈な低音さえ求めなければ、ロックからポップまで幅広い音楽にライブ感を与えてくれるKBEAR KB04。キレや寒色とはまた違った一面を求める人にオススメの一台だ。

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