中国製イヤホン専門店のEasy earphonesより、TinHiFi T2 PLUS提供していただいたので、レビューを行う。
TinHiFi T2 PLUS
TinHiFiは中国のイヤホンメーカー。今回レビューするT2 PLUSは、その名の通りTinHiFi T2というモデルのアップグレードバージョン。僕はT2を持ってないので分からないのだが、こちらは少し角ばった金属筐体に2個のDDを収めたイヤホンで、中高音重視で好評価を受けたモデルだという。その後継機というだけで期待が持てる。
白い外箱(やたらとタイトで開けるのに苦労した)を開けると、品のいい色合いの化粧箱が出てきた。こういう演出はかっこいい。
- T2 PLUS本体
- MMCX ケーブル
- イヤーピース×5サイズ
- フォーム系のイヤーピース×1
- 取扱説明書
が付属していた。イヤーピースの選択肢がかなり多いのが面白い。あと個人的には初のMMCX端子のイヤホンとなった。
今回のレビューは全て一般的なタイプの付属イヤーピースで行っている。
TinHiFi T2 PLUSのスペック
ブランド | TinHiFi |
モデル | T2 PLUS |
ドライバー | 10mmDD |
コネクター | MMCX |
応答周波数 | 10-20kHz |
音圧感度 | 104±3dB |
インピーダンス | 32Ω±15% |
付属ケーブル | 4芯編組銀メッキ銅ケーブル 3.5mmプラグ |
アルミ合金製の滑らかなボディ
TinHiFi T2 PLUSはアルミ合金製のつるっとしたボディを持っている。T2も金属製だったが、それとは対極にあるような形状だ。モナカ構造だが合わせ面もぴっちりしていてクオリティは高い。ステンレス調というシルバーの半艶塗装や、目立つ部分にロゴが入っていないデザインはさりげなく使うのにちょうどいい。
耳に触る側もつるっとしていて、比較的軽量なことも合わさって付け心地は良好。適切な長さのノズルなのでしっかりと耳に収まる。ノズルの先端には細かい金属メッシュが付いている。
付属のケーブルはイヤホンの雰囲気にマッチした銀基調のもの。銀メッキ4芯同ケーブルなのでスペックとしては特筆するべき部分は無いが、3.5mmプラグはローレット加工が施されていて使いやすい。全体的に軽量。
MMCXプラグはカチッとはまる。耳掛け形状になるように曲げ癖が付けられている。
音質:あっさりだけどしっかりとしたキレを持つ
箱出しではやたらとあっさりだったが、一晩エージングさせたところ音が沢山出てくるようになってきた。以下のレビューはエージング後の話。
正直最近はマルチBAや、多ドライバーのハイブリッドといった中華イヤホンばかり聞いているので、シングルDDイヤホンはかなり久しぶり。そういう理由もあってか、パッと聞いたときの印象は非常にあっさりとした音色だった。低音がドンジャカすることも高音がキンキンすることもゴリラが耳元で叫んだりすることも無い。心穏やかに音楽を楽しめる。
ではそこに物足りなさがあるのか?と問われれば、それは違うと断言できる。
確かに頭を揺らすような低音は無いのだが、ちゃんと音圧はあるし、超低音はさておきしっかりと出ている。ドラムもかなりキレが良くリズム感のある仕上がりだ。よほどの低音好きでない限り十分に満足の行くパワーを持っていると思う。
フラット気味だとは思うが、このイヤホンの主役と思われる中音域もいい。女性・男性を問わずボーカルはかなりしっかりしたクリアさを持っていて、一音一音がしっかりと粒立ちを持っている。かなりソリッドなサウンドなので電子音楽との相性がとてもいいように思える。
中音域と同じく高音域も粒立ちが良くはっきりと聞こえる上、のびやかに響く。かなり明瞭さがあるので、少し刺さり気味のキラキラ音はチクチクと耳に響いて気持ちがいい。
音場感としては広くも無く狭くも無く、適切。遮音性は高く、音漏れも少ない。インピーダンスが高めなので少し音量を上げると心地よく聞けると思う。
線が細いがしっかり主張する中高音域が快感
大迫力のオーケストラを聞いているような厚みのあるサウンドをTinHiFi T2 PLUSに求めるのは酷。わかりやすい派手なドンシャリでもない。音の厚みはそこまでなく、濃厚というよりはあっさり塩味といった感じのサウンドである。しかし、それでいてどの音域においてもキレも粒立ちも良く、しっかりと音楽を聴きこめる。長時間の使用も苦にならない。特に耳にチクチクと刺さる高音域はものすごく気持ちがいいので、線の細い女性ボーカルがとても楽しく聴ける。
TinHiFi T2 PLUSは、ドンシャリ系イヤホンを持っている人にこそむしろお勧めしたい、ジャンルを問わず音楽を楽しめる素敵な一台だと思う。
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