TRN BA5:中高音重視の高品質なサウンドを持つフルBA中華イヤホン

イヤホン

全金属シェル+フルBAイヤホン…この響きだけでなんだかちょっと中二病っぽくて、無駄に好奇心を掻き立てられる。まぁ要はフルBAイヤホンの音を聞いてみたかっただけなんだが。

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TRN BA5

というわけでTRNのフルBAイヤホンであるBA5を購入。

しっかりと魅せる梱包がされている内箱。前に買ったKZ ZS10Proとほぼ同じデザインだけど、シンプルでかっこいい。

スペック

モデル名TRN BA5
構成片側5BA
重量イヤホン単体(両側)で実測13g
プラグタイプ3.5mm
ピンタイプ0.75mm(QDCタイプ)
周波数応答範囲7-40000Hz
インピーダンス22Ω
感度110dB/mW

コンパクトな金属シェルに5BAを詰め込む

TRNのイヤホンを使うのは今回が初めてだけども、なかなか見た目はかっこいい。全金属シェル(アルミとマグネシウム)を使いながらも滑らかな曲線で構成されていて、サイズはコンパクト。高級なレジンシェルのカスタムイヤホンに近い形になっている。ただ製造時に用いる型がちょっと荒いのか、微妙に切削痕っぽい筋が表面に見える。しかしクオリティ自体は高く、妙なバリやかみ合わせの悪さなどは一切ない。

イヤーステムも金属製で金属のフィルター付き。イヤーピースは付属でS・M・Lの3サイズが付いている。背面には大きく空気抜きの穴が開いていて、ただの飾りではない。

TRN BA5はフルBAイヤホンで、片側あたり

  • 高音「30095」×3
  • 中音「29689」
  • 低音「22955」

の型番のBAが収められている。高音に3基のBAを割り振っていることからも高音域を重視したイヤホンであることが分かる。

付属のケーブルは4芯。3.5mmジャックや三又部分は金属製だがアルミ製らしく結構軽量。タッチノイズなどは特にないので大きく不満はないが、細めな割に取り回しはちょっと硬い感じがする。黒いケーブルはTRN BA5になかなか似合う。

TRN BA5はぴったり耳にハマる場所を見つければ、長時間付けていてもさほど耳が痛くなることはなかった。重量感も感じないので装着感は軽い。

音質:中高音を重視したシャープなサウンド

箱出しでちょっと聞いてみた後に一晩エージングしてみたら、なんだかちょっと音が大きくなった気がした。エージング前後で特に音質に変化があった気はしなかった。

さて、TRN BA5の音質だが、とてもシャープですっきりとした音が鳴る。

高音域はとてもよく伸びてきらびやか。全体的に金属質なサウンドなこともあって、明瞭感がありシャープな印象。刺さるか刺さらないかギリギリぐらいの気持ちよさがある。

中音域も同様にすっきり。特にボーカルが沈むことはなく、自然な位置にいるように思う。特に誇張されているような感じは無く、音場感もある。ピアノの音などもくっきりはっきり聞こえるので楽しい。

そこまで期待していなかった低音域なのだけども、これが意外としっかり鳴ってくれる。とてもレスポンスが良く、音圧もしっかりありつつ、音が歪んだりこもったりすることも無くハッキリしている。ただし意図的にブーストされたような超低音に関してはわざとカットされているのか急激に落ち込むので、よほど超低音がズンズン鳴り響くような曲には向いていない。

全体的にBAのキレの良さ+高開放度の金属シェルの組み合わせによる、すっきり明瞭で完成度の高いサウンドを聞かせてくれる。中高音域に強くフォーカスしつつ、十分な量の低音も備えているので、割とどんな曲にでも合わせることができるように思う。音域的にポップな曲が合うのだが、意外とドラムやベースがガンガン鳴るロックでも余裕でいける。

リケーブルでさらに性能を伸ばす

唯一持ってる16芯ケーブルの「HCK C16-4」でリケーブルを行ってみたところ、わずかに感じていた雑味のような部分が消えてさらにすっきりとした特徴が伸びてきた。付属ケーブルは少し微妙な印象があるので、できれば適当なケーブルでアップグレードするとさらにTRN BA5の良さを伸ばせるかもしれない。

誇張の無いハイクオリティサウンド

というわけでTRN BA5は、非常に完成度の高いシャープなサウンドを持つイヤホンだった。誇張しすぎているような部分が無いのであらゆる音楽に合わせることができるし、その上中高音域がとても気持ちがいいので楽しい。

開放度の高さゆえの音漏れはあるのだが、魅力的なサウンドを持つ一台だと思う。

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