TRN TA1:超ドライでハイレベルなサウンドを持つTRN初のKnowles搭載1BA1DDハイブリッドイヤホン

5.0
イヤホン

2021年の1111セールでTRN BA8を買ったのだが、TRNのイヤホンでもう一つ気になるものがあった。同ブランド初となるアプローチを行うこのイヤホン、高級感のある仕上がりと仕様を持つのにやたら安いというコスパの塊。それがTRN TA1。

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TRN TA1

TRN TA1は2021年春に発売された、同ブランド初となるKnowles製BAを搭載したハイブリッドイヤホン。Knowlesはアメリカの音響メーカーで、要するに低価格中華イヤホンがあまり使わない一流メーカー品である。TRNはこのTAシリーズで、Knowles×低価格という新境地を開拓しようとしているらしい。

それでいてこのTA1、なんと値段が超安い。国内通販で4000円前後、中国通販で$30、その上頻繁にセールやクーポン発行を行っており、僕が購入したときは1111セールで$20前半という低価格イヤホン並みの価格だった。Knowles搭載イヤホンとしては飛び抜けて安いし、そもそも仕様を考えてもお買い得感がすごい。…本当にKnowles積んでる?

箱を開けると中から化粧箱がお出まし。初の高級BA搭載イヤホン故か演出もこの価格にしては少し凝っている。よく見ると外箱と若干側面のデザインが違うが、それについては後述。

  • TRN TA1本体
  • ケーブル
  • イヤーピース3種類
  • 取扱説明書、製品合格書

が付属。ちょっとイヤーピースの数が多い以外は最小限の付属品となる。イヤーピースは白がバランス型、黒が低音寄り、そしてフォームのイヤーピースの3種類。

TRN TA1のスペック

ブランドTRN
モデルTA1 (for JP)
ドライバーDD:新型8mmデュアルマグネティックドライバー
BA:Knowles 33518 (中高音域)
コネクターMMCX
応答周波数10-40000Hz
音圧感度107dB/mW
インピーダンス16Ω
付属ケーブル4芯編組 銀メッキケーブル
3.5mm L型プラグ

TRN TA1で特徴的なのはKnowles製BA搭載の点なのだが、これが中高音域を担当するBAであることは面白い。BAは広い音域を鳴らすのがあまり得意ではないので、通常のハイブリッドイヤホンでは高音域・中音域・低音域など音域を分けて搭載することが多い。1BA+1DDなら高音域用のBAを積むのが一般的だ。ここにあえて中高音域BAを積んできたあたり、TA1がTRNらしくその帯域を重視したアプローチを行ったことが推測される。さらにDDも新型の8mmデュアルマグネティックドライバーが搭載、TRN初のMMCXコネクター採用など、単にKnowles製BAを持ってきただけではない意欲的なモデルでもある。

ちなみにこのKnowsles 33518は中国でライセンス生産されているものなんだとか。中華イヤホンによく積まれているBellsing製BA(ほぼKnowlesのパクリ)も最近はかなり性能が上がっているので、そのあたりの差も気になるところ。

クロームメッキのマグネシウム合金シェル

TRN TA1はマグネシウム合金のクロームメッキを施したボディを持つ。側面に描かれている女の子は…

この子(名前がわからない)。僕がこのイヤホンを買ったタイミングだとこのキャラクターが描かれた「for JP」モデルが若干安かったので試しに買ってみたのだが、思ったよりはっきり黒い線で印刷されているおかげで意外と目立つ。普通のモデルならTRNのブランドロゴが描かれる。どうせならNICEHCK DB1のように箱にイラストを書いてほしいのだけど、箱にはキャラクターに関する一切の情報がない。この中途半端さがTRN。

ほぼほぼ円筒形のボディにまっすぐ金属ノズルが生え、金属フィルターが備えられる。仕上げはツルッとしていて美しく、似たような形状を持つTinHiFi T2 EVOに比べて高級感は十分ある。ただやはりあちらと同様に耳の内側に当たる部分があり、なおかつそこそこ重量があるので、耳の奥まで押し込むと僕の場合は若干痛みが出た。装着感では若干人を選ぶイヤホンである。空気抜き穴は背面とノズルの根本に2箇所ある。

ケーブルは細めの銀メッキOFC銅ケーブル。プラグは金属カバーが突いたL型で、最近のTRNイヤホンに付属されるケーブルの色とメッキ違いのようだ。イヤホン側のプラグは赤色のマーキングがされている方が右で、青が左というイヤホンでは一般的な色分けがされていてわかりやすい。

音質:パワーたっぷりの低音を軸にドライでハイレベルな中高音を鳴らす

例によって一晩エージングを行った後に音質のレビューを行う。

TRN TA1はさすがはKnowles製BA搭載モデルだと唸らせる実力を持ちつつ、その音色は確実にTRNらしさに溢れている。つまりスピード感がしっかりある弱ドンシャリ寒色サウンドだ。KZイヤホンのゴリラが太鼓をバッコンバッコン殴るかのような強烈な低音こそ譲るが、十二分な量感と迫力の引き締まった低音、スピード感のある中音、そしてキレよく解像感がある高音域と、まさにTRNサウンド。それでいて不快な要素は極力省かれているあたり、今どきの中華イヤホンらしい高レベルな纏まりを見せる。

意外なことにTA1のベースをしっかり固めているのは低音域になる。ここのパワーとキレの良さは非常によく、とても$20前半で購入したイヤホンとは思えない。引き締まっているのにしっかり弾み、強い音圧で頭を揺らす。

中音域はドライ。音量としては低・高音域に比べ若干下がっているのかもしれないが、聞いている限りそういう印象は無い。これは全体的にぼやけず見通しが良いためだろう。寒色の低音域とマッチして、このイヤホンの世界観を作り出している。

高音域はかなりシャープだが、耳に刺さる半歩手前ぐらいのチューニングが施される。ぎりぎり不快に感じないところなのでむしろ気持ちいい。シングルBAゆえのシンプルかつ明瞭さを持ち、ハウジングからの反響を含め金属質なサウンド。

圧倒的進化を見せる低価格ハイブリッドイヤホン

全体的にはパッキパキの解像感を持つイヤホンというよりも、パワーのある低音をDDに任せ、ドライでシャープな中高音域をBAに担当させた、寒色で雰囲気良く音を鳴らすイヤホンであるように感じる。要するに楽しい。細かい音まで出ているし、音が重なってもどこかが引いてしまうことはないハイレベルな仕上がり。Knowsles BAの高品質なサウンドと、新型8mm DDが金属ハウジングの中でいい仕事をしているようだ。低価格1BA+1DDハイブリッドイヤホンの進化、半端ない。

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